2009年12月18日

キツネのさまざまな繁殖集団

キツネのさまざまな繁殖集団

 従来、キツネは一夫一妻で子育てをするとされてきました。
 しかし最近の、欧米そして日本における詳細な研究は、
 キツネの繁殖集団がさまざまな形態をとることを明らかにしています。

 たとえば、北海道でキツネの繁殖形態を集中的に研究した鈴木延夫氏らによれば、そのメンバー構成はさまざまでした。育児期における繁殖集団は母ギツネとその子が中核となりますが、これに雄や雌の成獣の一個体あるいは複数個体が同居した、いろいろな組合せの繁殖形態があることを示しています。

 九州におけるホンドギツネでは、雄は育児中の巣穴周辺に姿を見せることはほとんどありません。そのかわり、母と子ギツネのほかに一〜数頭の若い雌が同居しているケースが多いです。

 これらの非繁殖雌たちは、ほとんどの場合前年に生まれた、すなわち当歳子の姉たちです。彼女らは子ギツネたちへ餌を運んだり、人やイヌが近づいた時には警戒の音声を発し、子ギツネたちを守ろうとします。いわゆる、育児のお手伝いをするヘルパーです。


 一方、雄の方はどうでしょうか。

 九州において電波発信機をつけて追跡した雄の若獣たちは、十〜十一月にすべて遠くへ分散しました。このような若雄の分散は哺乳類に一般的にみられる現象であり、近親婚を防ぐ機構として知られています。若雌も分散することがあるがその範囲は狭く、母親のなわばり周辺に留まることが多いです。

 一般にキツネの繁殖集団は、
 なわばりをもって生活し、
 他の集団のなわばり内に
 侵入することはありません。


 特にこの傾向は繁殖雌同士の間に強いです。

 また一つの繁殖集団を構成するメンバー間には優劣関係がみられ、特に雌間では、繁殖雌が最優位です。ヘルパーたちが娘であれば当然のことでしょう。雄間でも優位な個体だけが雌と交尾できるといわれています。


キツネ(食肉目イヌ科キツネ属)

林縁部や森林と草原が入り組んだ環境、田園地帯などが好適です。
瞳孔は収縮すると垂直の針状となります。
妊娠期間五十余日、産子数二〜七頭、授乳期間約三ヵ月。
交尾期は冬季で、春先に子ギツネが誕生。
秋には独立し、その冬には性成熟を迎えます。

生態と社会 食性は雑食傾向が強く、野ネズミやノウサギ、鳥類、ヘビ、トカゲ、昆虫、果実類など。繁殖育児期には母と子ギツネを中心に、これに複数の成獣が加わった繁殖集団を形成します。雌の成獣のほとんどは前年に生まれた姉で、ヘルパーとして行動することが多いです。

posted by ss at 18:00| キツネ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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